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| 公開日:2025/7/15 , 最終更新日:2025/7/27
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■巨人の星
<本の情報>
・ 出版社:講談社
・ 作者:梶原一騎(原作), 川崎のぼる(画)
・ 連載期間:1966年 - 1971年
<大リーグボールとは>
● 大リーグボール1号:バットを狙う魔球
一見ビーンボールのようでありバッターはひるんでしまうが、実はバッターのバットそのものを狙っており、凡打を誘うという魔球。
バットに必ず当たるということであれば、ど真ん中にバットを構えることによって、そのまま打ち返すことで敗れてしまう。
● 大リーグボール2号:消える魔球
ボールが土煙に紛れて視界から消えるという“錯覚”を利用したトリックボール。発想のきっかけは少女・美奈の鞠つき。
土を湿らし土煙が舞わないようにすることで、ボールが消えるのを防ぎ、敗れてしまう。
● 大リーグボール3号:バットをよける魔球
スローボールがバットの風圧で浮き沈みし、芯を外すという逆転の発想による球。強振しない打者には通用しない。
<結末>
リーグボール1号・2号を破られた星飛雄馬は、京子が投げた林檎の軌道にヒントを得て、ついに大リーグボール3号を編み出す。
しかしそれは、自らの腕の筋肉を犠牲にする禁断の球種だった。
飛雄馬は、それでも「これを投げなければ投手としての道はない」と悟り、たとえ破滅が待っていようとも、大リーグボール3号を投げ続ける決意を固める。
そして迎えた、父・星一徹がコーチを務める中日との優勝決定戦。勝利を目指す父と、完全試合を目指す息子との宿命の親子対決が始まった。
9回2死、完全試合まであと一人。打席に立つのは、飛雄馬の親友・伴宙太。星一徹は、3号の弱点を突く作戦を伴に授けていた。
大リーグボール3号は、強くバットを振るほど軌道がそれて当たらない魔球。そこで伴は、星一徹の指示で逆立ちして体力を奪われた状態で、バットを“そっと”振る作戦に出る。
ついに飛雄馬の腕の筋肉は、ボールを投げた瞬間に断裂する。それでも投げた一球、伴は渾身の一振りで打球を弾き返す。
だが伴もまた、満身創痍で一塁へと駆け出す。結果、ギリギリのタイミングでアウト。飛雄馬は完全試合を達成し、親子の死闘も終止符を打つ。
星一徹も敗北を認め、長きにわたった父子の因縁が静かに幕を下ろした。
その後、腕を壊しボールを投げられなくなった飛雄馬は、姿を消す。
球界もファンも騒然とするが、時とともにその存在は人々の記憶から薄れていく。
年が明けた新春、左門豊作と京子の結婚式が執り行われる。
その日、式場の窓の外から、そっと二人を祝福する飛雄馬の姿があった。
そして彼は、新たな自分の生き方を求めて、静かにその場を去っていくのだった。


■新巨人の星
<本の情報>
・ 出版社:講談社
・ 作者:梶原一騎(原作), 川崎のぼる(画)
・ 連載期間:1976年 - 1979年
<結末>
左腕の酷使により投手としての選手生命を絶たれた星飛雄馬は、プロ野球界から姿を消し、その行方をくらませていた。
それから5年後。再起をかけた飛雄馬は、代打者として復帰を目指して日々特訓を続けていたが、その過程で自身が本来は右利きであったという事実に気づく。
この“右腕の可能性”に賭けた飛雄馬は、プロテストを受け直し、見事巨人軍への再入団を果たす。
そして右投げの投手として新たなスタートを切ると、前年に最下位に沈んでいた巨人軍を牽引し、翌シーズンには見事リーグ優勝へと導いた。
しかし、右腕から繰り出される直球もやがて各球団に研究され、通用しなくなっていく。そこで飛雄馬は、かつての「大リーグボール」に代わる新たな魔球「大リーグボール右一号」の開発に乗り出す。
この新魔球は、投球が三つの分身のように見える幻惑効果を持ち、当初は打者たちを完全に翻弄した。だが、その球も次第に見破られていく中で、飛雄馬は再び限界を超えるために、さらなる“次なる魔球”の開発を決意するのだった。

<感想>
左腕が使えなくなった飛雄馬が打者に転向するという展開には、新たな可能性を感じさせる期待感がありました。
しかし、その後再び投手として復帰し右腕で再出発するという流れは、結局のところ前作『巨人の星』と大きな違いがなく、やや既視感のある展開になってしまったのが残念でした。
さらに、新たな「大リーグボール」を開発するというストーリーも、結局は打者に見破られてしまうというお決まりのパターンに落ち着いてしまい、驚きや新鮮味に欠けた印象を受けました。
こうした展開の繰り返しが影響したのか、作品の人気は前作ほど盛り上がらず、最終的には半ば打ち切りのような形で物語が終わってしまったのも惜しいところです。
せっかくなら打者としての才能を活かしつつ投手としても活躍する、いわば「投打の二刀流」として新たな飛雄馬像を描いてくれたら、もっと魅力的で斬新な作品になったのではないかと思います。
■時代設定
現実の巨人軍の選手やシーズンの結果を反映しながら、『巨人の星』『新巨人の星』は展開されました。

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