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■天動説と地動説
天動説とは地球の周りを天体が動いていると考える説のことで、地動説とは太陽の周りを地球が動いていると考える説のことです。その歴史はどちらも古く、紀元前に遡ります。
しかし、当時の知識では地球が動いているとは考えにくかった(地球が動いているならなぜ人間は振り落とされないのか)ため、天動説が支持され続けていました。
そしてキリスト教は、地球は神が作ったものなのだから、地球が宇宙の中心にあるに違いないという考えを支持したため、後に地動説を唱える人々を弾圧しました。
例えば、コペルニクスの書は禁書とされ、ジョルダーノ=ブルーノは火炙りの刑に処され、ガリレオ・ガリレイは裁判で有罪となりました。
しかし科学が発展し、真実を知るという人間の欲求に抗うことはできず、その後も地動説を唱える動きは止まらず、ケプラー(ドイツ)によるケプラーの法則(惑星は、太陽を焦点のひとつとする楕円軌道上を動く)や、
ニュートン(イングランド)による万有引力の法則によって、地動説の証明を確固たるものにしました。
■天動説と地動説の軌道
左が地動説の軌道、右が天動説の軌道です。黄色が太陽、青が地球、赤が火星です。火星に比べて地球の公転周期が早いため、火星を追い越す際に、
天動説の場合は火星が一度戻るかのようにみえます。その為、惑星のことをギリシャ語の「さまよう人:planetai」からくるplanetと名づけられました。
(日本語でも「惑わす星」という意味が付けられているのはここからきています。)
wikimedia commonsより引用
天動説における、地球から見た金星の動きは以下となります。
wikimedia commonsより引用
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