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■占星術の起源
占星術の起源は紀元前3000年頃の古代メソポタミアにあります。
当初の占星術は、個人の運命を占うものではなく、国家や王の運命を天体の動きから読み取る「前兆占星術」でした。
その後、紀元前4世紀頃にアレクサンダー大王の遠征によってバビロニアの知識がギリシャへ伝わりました。
ここでギリシャ哲学や数学と結びつき、黄道十二宮(12星座)が体系化され、「個人の生まれた瞬間の星の配置(ホロスコープ)」で占うスタイルが確立されました。
近代以前までは占星術と天文学は未分化であり、ケプラーやガリレイといった著名な科学者も占星術を研究・実践していました。
■占星術の種類
① 西洋占星術
現代において最も一般的に知られている占星術で、黄道十二宮(いわゆる12星座)の体系を基盤としています。
新聞や雑誌、Webで目にする「12星座占い」の多くは、この西洋占星術を簡略化したものです。
西洋占星術では、出生時の太陽・月・惑星の位置関係を重視し、それらが象徴する意味を読み解くことで、性格傾向、価値観、行動パターン、人生のテーマなどを分析します。
星は出来事を直接決定するものではなく、その人が持つ資質や心理的傾向を映し出す象徴と捉えられます。
そのため、自己理解や内面分析、人生の選択における指針として用いられることが多く、
「星の配置を知ることで、自分の強みや課題を自覚し、主体的に人生を選び取る」
という、運命を固定的なものとせず、変化させ得るものと考える能動的な視点が強い点が特徴です。
② インド占星術
古代インドの聖典群である「ヴェーダ」を思想的背景に持つ、非常に長い歴史を持つ占星術体系です。
西洋占星術と同様に惑星を扱いますが、計算方式や世界観は大きく異なります。
最大の特徴は、実際の夜空に見える恒星の位置を基準とするサイデリアル方式を採用している点で、西洋占星術(トロピカル方式)とは星座の位置がずれる場合があります。
また、インド占星術では、カルマ(業)や輪廻転生といった思想が根幹にあり、人生は偶然ではなく、過去からの因果の流れの中にあると捉えます。
そのため性格分析以上に「人生のどの時期に、何が起こりやすいか」を読むことに重きが置かれます。
特に重要なのが、人生の運気周期を詳細に区分する「ダシャー理論」で、結婚・仕事・試練・成功などのタイミングを予測する実践的な占星術として、現在でもインド社会に深く根付いています。
③ 中国占星術
中国占星術は、天体の位置そのものを詳細に計算する西洋占星術とは異なり、陰陽五行説(木・火・土・金・水)や十干十二支といった暦の循環構造を基盤とする占術体系です。
宇宙・自然・人間は同一の法則で動いているという思想に基づき、人を孤立した存在としてではなく、大きな時間的・自然的サイクルの一部として捉えます。
そのため、瞬間的な運勢よりも、人生全体の流れや社会の中での役割、人間関係の調和を重視します。
生年月日や出生時刻から気の偏りや運命傾向を読み取り、性格分析だけでなく、仕事・結婚・健康などの時期判断にも用いられてきました。
代表的な体系には四柱推命、宿曜占星術、紫微斗数などがあり、いずれも長期的視点で運気の波を把握し、無理なく生きる指針を示すことを目的としています。
④ 六星占術
六星占術は、日本の占い師・細木数子によって提唱された占術体系です。
生年月日を基に人を「土星人・金星人・火星人・天王星人・木星人・水星人」の六つのタイプに分類し、さらに陰陽の別によって運命傾向を読み解きます。
名称には惑星名が用いられていますが、実際の天体観測や星の位置計算は行わず、西洋占星術の黄道十二宮やホロスコープとも無関係です。
六星占術の大きな特徴は、人生の運気を周期として捉え、その中でも特に注意すべき時期を「大殺界」と呼んで重視する点にあります。
大殺界は運気が停滞・下降するとされる期間で、積極的な決断や新しい挑戦を避け現状維持や内省に努めるべき時期と説明されます。
理論背景には陰陽五行説や干支の周期思想が取り入れられており、性格分析よりも行動のタイミング判断に重点が置かれています。
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