牛の種類 和牛、国産牛、ブランド牛の違い



食物,栄養学

初回更新日:2022/1/1    

■牛の種類
日本における牛の種類は以下となります (輸入種は除く)。

 

<和牛、国産牛、ブランド牛の違い>
和牛とは、日本在来の牛を品種改良した牛のことで、現在は「黒毛和種」「褐色和種」「日本短角種」「無角和種」の4種、またはその4種による交雑種に限定されます。 一方、国産牛とは日本で3か月以上飼育し食肉加工した牛の事で、輸入牛でも国産牛とすることができます。 和牛で重要なのは"血統"なので、例えば自分が新たな和牛種を作りたいと思って、外国の牛を産まれてからずっと国内で飼育したとしても和牛とはなりません。 例えば和牛と外国種を掛け合わせ、その後血筋を管理しながら何十世代も国内で飼育したら、いずれ在来種と認められて和牛と認められるかもしれません。

またブランド牛とは、銘柄ごとに定められた基準(品種、性別、肥育地、肉質など)を満たした特定の牛の事をいいますが、明確な定義はなく、たとえ輸入牛や交雑牛でもブランド名を付けることができます。 ブランド牛で重要なのは"信頼"なので、自分が新たなブランド牛を作りたいと思ったら比較的容易に実現可能ですが、それとおいしさは別の話で、長い間消費者に認められ続け信頼された結果としてブランド牛しての地位が確立されるのです。

<ホルスタイン種、ジャージー種>
ホルスタインは白と黒のぶち模様の牛で、日本における代表的な牛の姿のイメージといえばホルスタインです。実際に日本の牛の約99%がホルスタインです。ホルスタインはオスは肉牛としてメスは乳牛として飼育されます。

ジャージー牛の牛乳は乳脂肪率が高く濃厚な味わいを持っており、おいしい牛乳としてのイメージを持たれています。ジャージー牛の牛乳を出しているのは当然メスですが、オスは食肉として食べられる部分が少ないため、 長い期間飼育することはなく、産まれてからすぐに処分されソーセージなどに加工されます。最近ではオスでも肉牛として利用する取り組みをしているところもあるようです。

■肉のランク
肉のランクは歩留等級(A~C)と肉質等級(5~1)から決まります。

歩留等級とは枝肉(骨、皮、内臓などを取り除いた状態)からとれる可食部の多さのことを示し、味とは関係ありません。 Aの方が可食部が多いため、生産者にとっては多くの利益を出すことができます。 本来は量が多いほうが販売価格を抑えることができ、消費者にとってもメリットがでる筈ですが、消費者は味とは関係ないAランクの方を好み販売価格を抑えなくても需要があるため、 生産者にとってはおいしい限りとなります。

肉質等級とはサシの入り方や肉質等から決まります。数値が高いほうがサシがよく入っており肉質もよいため、美味しくて高級な肉とされています (サシが入らない肉の方を好む人もいます)。 脂肪交雑は更に12段階で分けて表現する場合もあり、例えば、A5-12といったらサシの入り具合が最も良い状態となります。

 

■肉の部位


<補足>
・ サーロインの由来:ロインは「腰の肉」、英国のキングジェイムス1世があまりの美味しさにサー(卿)の称号を与えた。
・ シャトーブリアンの由来:フランス貴族、作家、政治家のシャトーブリアンに由来している。
・ バラ肉:バラ肉のバラは、あばらのバラ。カルビは韓国語であばらの意味。

<内臓部分>





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