腸内細菌の種類



食物,栄養学

公開日:2025/5/25    

■腸内細菌とは

腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類の腸内細菌が存在し、これらのバランスが健康状態に大きく関わっています。

善玉菌は、腸内環境を整え、消化や吸収を助けたり免疫力を高めたりするなど、私たちの体調を良好に保つ働きをします。 悪玉菌は腸内で有害物質を生み出し、下痢や便秘、腸内の炎症などを引き起こす原因となり健康に悪影響を及ぼします。 日和見菌は善玉菌・悪玉菌のどちらにも加勢する「中間的な存在」で、普段は無害ですが、腸内環境のバランスが崩れると悪玉菌に味方してしまうこともあります。 日和見菌は腸内細菌の約70%を占めるともいわれており、腸内の状態を左右します。

■プロバイオティクスとは

プロバイオティクスとは、摂取することで腸内環境を改善し私たちの健康に良い影響を与えると科学的に証明された“善玉菌”の一部です。 代表的なものには特定のビフィズス菌や乳酸菌(例:LGG株など)などがあります。 従って全ての善玉菌がプロバイオティクスというわけではなく、人への有効性が明確に示された菌株だけがプロバイオティクスと呼ばれます。

なお"プレバイオティクス"は「善玉菌のエサ」となる食品成分のことを指し、食物繊維やオリゴ糖が含まれます。

■お腹を壊す原因は乳酸菌ではなく乳糖

牛乳やヨーグルトを食べてお腹を壊す人の多くは、その原因が乳糖にあります。 乳糖は糖類の一種で、これを分解するには「ラクターゼ」という酵素が小腸に必要です。 しかし日本人はこの酵素の活性が低い人が多く、乳糖をうまく消化できない場合があります。

その結果、分解されなかった乳糖が大腸まで届き、発酵してガスや下痢、腹痛を引き起こします。これを「乳糖不耐症」と呼びます。 そのため乳糖を避けながら乳酸菌を摂取したい場合は、ビオフェルミンなどの整腸剤を利用するのが効果的です。 これにより乳糖の摂取を抑えつつ、腸内環境を整える乳酸菌を効率よく取り入れることができます。




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