醸造酒, 蒸留酒, 混成酒の違い 原材料,製法の比較



食物,栄養学

公開日:2023/5/11    

■醸造酒, 蒸留酒, 混成酒の違い

以下のとおり。醸造酒は、原料(米や麦など)を糖化させたものに酵母を加えアルコール発酵させたもの。蒸留酒は醸造酒と同じくアルコール発酵させたものを加熱し、発生した蒸気を冷やしてアルコールを濃縮させたものです。 また混成酒は、醸造酒や蒸留酒に果実や香料を加えたものです。



<製法基本フロー>

■酵母の働き

酵母は酵母菌あるいはイースト菌のことで、糖をアルコールと炭酸ガスに変える性質を持っています。(参照:発酵) イースト菌はパンを作る際にも用いられ、小麦粉を水でこねたものにイースト菌を混ぜると、炭酸ガスの影響でふっくらとさせる事ができます。 このとき微量のアルコールも含まれますが、パンを焼く過程でアルコールは蒸発します。

■ウィスキー、ウォッカ、ジンの違い

ウォッカとジンは原料が同じで、ウィスキーも原料が似ていますが、その違いは製法にあります。 ジンは蒸留の際に果実や薬草が加えられるのに対して、ウォッカは蒸留した後に白樺の炭でろ過して不純物を取り除いたものです。 ジンは果実や薬草を加えるので混成酒と思うかもしれませんが、混成酒は蒸留した後に果実や薬草を加えるので、ジンは混成酒ではありません。

ウィスキーは蒸留した後に樽に入れて熟成させるので、独特の風味が加わります。ウィスキーの種類にバーボンと呼ばれるものがありますが、バーボンはアメリカのケンタッキー州バーボン郡で生まれ、 その定義は、主原料のトウモロコシの使用比率が51%以上や、内側を焦がしたホワイトオークの新樽で熟成する、等の項目で定められています。

■日本酒を蒸留したら米焼酎になるのか

原理的には、醸造酒である日本酒を蒸留したら米焼酎になります。しかし市販されている、たとえ上等な日本酒を蒸留したからといって、美味しい米焼酎ができる訳ではありません。 日本酒はもろみ(麹、酵母を入れて発酵した状態のもの)をろ過することによって作られますが、米焼酎はもろみをろ過したものを蒸留するのではなく、もろみの状態で蒸留して作るため独特の風味を出すことができます。


■チューハイ、ハイボール、サワー、カクテルの違い

ハイボール:ウィスキーを炭酸で割ったもの。

チューハイ:焼酎に果汁などを加えて炭酸で割ったもの。チューハイのチューは焼酎の酎。ハイはハイボールのハイ。

サワー:焼酎やウィスキー以外の蒸留酒に、酸味のある果汁を加え炭酸で割ったもの。

カクテル:ベースの酒に複数の果汁やリキュールを使用したもの。炭酸が入っているとは限らない。





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