カロリーとは, 糖質や脂質との違い



食物,栄養学

公開日:2020/1/12 , 最終更新日:2024/2/17   

■カロリーとは

カロリーとは体を動かすために必要な熱量のことです。糖質タンパク質脂質のいずれからもカロリー得る事ができ、糖質、タンパク質は4kcal、脂質は9kcalです。 消費カロリーより摂取カロリーが高い場合、脂肪となって体に蓄えられます。これが太る原因です。

糖質を摂取すると血糖値が上がり、エネルギー(カロリー)として消費されない余剰分をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄え、エネルギーが不足するとグリコーゲンを再び糖に戻してエネルギーとして消費します。 肝臓や筋肉に蓄えきれない場合は脂肪として蓄えられます。脂質を摂取した場合もエネルギーを生み出し、消費しきれない場合は脂肪として蓄えられ、逆にエネルギーが不足すると脂肪をケトン体に変換してエネルギーとして消費します。 タンパク質は経口摂取した場合は直接エネルギーに変換されません。タンパク質は筋肉など主に体の組織を作るために使われ、余剰分を脂肪に変換します。タンパク質がエネルギーとして使用されるのは、エネルギー供給の最終手段として、 タンパク質でできている筋肉などをブドウ糖に変換する場合です。



■太らないためにはカロリー制限より糖質制限を行い、血糖値の上昇を防ぐのが良い

糖質、タンパク質、脂質いずれにもカロリーはあるので、摂取量が多ければ太ります。しかし糖質は血糖値の上昇を伴うので、その方が脂肪になりやすく太りやすいです。 それはインスリンで血糖値を急いで下げようとするので、いわば能動的に脂肪を貯める事になるためです。インスリンが大量に分泌される急激な血糖値の上昇は更に良くないです。 従ってカロリー制限より糖質制限にすべきです。カロリー制限をするという事は体に必要なタンパク質まで制限してしまう事になるので、危険な行為です。

なお仮に糖質を取ったとしても、血糖値を上昇させなければ太ることを抑制する事ができますが、その手段として、「ゆっくり食べる」「食事を複数回に分ける」「食べた直後に筋トレなどの無酸素運動する」等があげられます。 早食いが太るのは、満腹になる前にたくさん食べてしまうから。と言われたりしますが、それより血糖値が急激に上昇するからという理由の方が妥当かもしれません。

また一昔前は、脳は糖分だけをエネルギー源としているので、糖質を取らないと頭が働かなくなると言われていましたが、 しかし上述したとおり、ケトン体も脳はエネルギー源とすることが解っており、血糖値が低くなると体内で脂肪分を分解してケトン体を作り出すので、 糖質を取らなくても問題無いという説もあります。糖質制限してケトン体でエネルギーを作り出すダイエット方法をケトジェニックダイエットといいます。

ただしケトン体を作り出すのは時間的には遅く、速やかに脳にエネルギーを与えるためにはやはり 糖質が効果的と思います。例えばテストの時など頭を使う場合には糖質を摂取するのが良いと思います。

<ただし糖質を完全に断つのは良くない> 何でも極端はよくありません
糖質が必要な理由は大きく3つあります。

① 上述したとおり、食後の血糖値を抑えるのには筋トレなどの無酸素運動が良いといいましたが、これは逆に、スポーツなどで無酸素運動が必要な場合、糖質が不足していると力を出せません。

② 糖類が無くてもエネルギーを作り出す事ができると先ほど述べましたが、タンパク質や脂肪からエネルギーを取り出すときは、内臓(肝臓や腎臓など)に負担を与える事になります。

③ お酒を飲んだ場合、アルコールを分解する際に大量の糖類を必要とするので、糖質を摂取していない場合は一層肝臓への負担が大きくなります。お酒を飲んだ時に炭水化物を食べたくなる理由はこれです。 私自身の経験ですが、炭水化物を全く食べずにお酒ばかり飲んだ次の日には、関節や筋肉が物凄く痛くなります。これも糖質不足が原因ではないかと思っております。 お酒を飲むときは、炭水化物は積極的に摂取した方が良いと思います。

<昔の人はご飯ばかり食べてても何故太らなかったのか>
昔の人はご飯を中心とした食事でしたが、肥満や糖尿病になる人は少なかったです。現代の日本人が肥満や糖尿病の人が増えたのはやはり食生活の変化で、ケーキ、お菓子、パンなどの血糖値が急激に上がるような食べ物の摂取量が増えているからです。 またご飯は比較的血糖値が緩やかに上昇するため、ご飯だけの食生活では糖尿病になり難かったのだと思います。

なお肉食の文化になった事が原因と考える人もいますが、タンパク質は体の組織を作るのに大量の量が必要であるため、 タンパク質の過剰摂取による肥満はほとんどないと思われます。また血糖値が上がらないので糖尿病にもなりません。タンパク質摂取の重要性は藤川徳美著「すべての不調は自分で治せる」で説明されています。




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