安倍晋三氏 狙撃説はあり得るのか 可能性を考察



自分の思うこと

公開日:2022/8/19    

安倍晋三氏は2022年7月8日11時31分、奈良県奈良市 近鉄大和西大寺駅前付近で参議院議員選挙の街頭演説中に銃撃され、その後奈良県立医科大学附属病院に搬送されましたが、同日17時3分に失血死による死亡が確認されました。

銃撃した山上徹也は安倍晋三氏の近距離まで接近し自作の散弾銃を発砲(1発目は命中せず、命中した2発目が致命傷となる)。銃撃の瞬間を多くの人が目撃しており、その場で現行犯逮捕されていますが、 一方で安倍氏の銃創の位置から実は別の場所から狙撃されたという説も浮上している為、その可能性を自分なりに考察いたします。先ずは出ている情報を整理します。

■ 情報整理

<奈良県立医科大学附属病院の会見 (8日18時過ぎ)>

手術を行ったとされる福島 英賢教授からの、安倍氏の傷の状況の説明部分を列挙します。(動画はyoutubeに上がっています)

・頸部2か所の銃創があり、心臓及び大血管の損傷による心肺停止と考えられる

・頸部は真ん中の所と少し右の2ケ所(首を指さし説明)。2つの銃創の距離は5cm位

・銃創の大きさは非常に小さい

・傷は心臓にまで到達する深さ

・手術時に弾丸は2つとも確認できなかった

・弾丸は首から心臓の方に向かっていった(指でなぞるように説明)

・弾丸によって心臓の壁に大きな穴が空いた。弾丸は基本的には入り口よりも大きな傷をつけるものだと理解している

・左の肩の前の方に別の傷があった為、そこが弾丸の一つの射出口と言われる所だったんじゃないかと考えている。もう一つの弾丸が貫通した傷はない

・銃創は前頸部で、後ろに傷はなかった

・銃創は一直線に進まず体の中であちこち動くので、経路は正確には分からない。専門家が見たら違う見解になるかもしれない

「前頸部から入った弾が心臓に達して致命傷となる。右肩は射出口と考えるがどのような経路で出ていったかは解らない」とすると、 頸部から入った弾の一つは右肩を抜けていったとして、もう一つの心臓に達した弾丸は、背中など他に銃創が無いため体内に残ったままとなる筈です。 福島氏はあくまでも手術中に見つからなかったと言っているだけで、その後の司法解剖で見つかってもおかしくはないという状況です(この時点では)。



そして弾は頸部から入って心臓に到達したとなると、その入射角を考えると弾は高い場所から撃たないと説明が付かない事になります。これが狙撃説の根拠となっております。

<奈良県警による司法解剖結果の説明 (9日11時ころ)>

司法解剖は8日22時40分から約6時間半にわたり、その後奈良県警から以下のとおり発表されました。病院の発表と大きく異なっている事が分かります。

・左上腕から入った銃弾1発が致命傷となり、左右の鎖骨下にある動脈損傷による失血死である。

・首にも銃弾が1発入った痕を確認、この他に首に別の傷があったが、銃弾によるものか分からない。


<自由民主党「治安・テロ対策調査会」での説明 (20日)>

青山繁晴氏のyoutubeチャンネル「ぼくらの国会 第371回 7/21放送」にて、調査会における青山氏自身の質疑の内容について以下のとおり述べられています。

・盲管銃創(弾は外に出た痕がない)にもかかわらず、弾は一つしか見つかっていない

・体内から見つかった弾は致命傷を与えた方ではない。(つまり警察発表に従うと、致命傷を与えたと言われる左肩から入った弾が見つかっていない)

・体内に残った弾は手製で、正露丸のような球形の形状をしている

・病院が述べていた「心臓に与えた傷」は、警察側の調べでは確認されていない


更に別動画「ぼくらの国会 第378回 8/5」では以下の様に述べています。これは7/20から8/5の間で警察側で新たに分かった情報という訳ではなく、 7/20に青山氏が聞けなかった情報を改めて聞き出したというものになります。

・体内に残った弾の直径は10mm程度

・素材は金属で、体内で溶けるものではない

・弾は遺体が警察に渡ってからではなく、銃撃現場で救命措置を行っている過程で失われたと警察は推定している

・致命傷に至った左肩から入った弾は、水平に入っていった

・致命傷に至らなかった頸部から入った弾も、ほぼ水平に入っていった

・頸部から入った弾は右上腕部の骨に当たって止まった。(上腕骨は折れていた)

・心臓に損傷はなかったと警察は明言している



■ 病院と警察の発表に対する疑問点

<病院と県警の説明の違い>

病院は心臓に大きな傷があったと述べたことに対し、警察はそのような傷はなかったと述べています。 これは病院が間違えているか事実を隠している、または警察が事実を隠している事になりますが、病院が間違うことなどあるのでしょうか(会見から福島氏は噓をついている様には見えませんでした)。以下理由が考えられます。

① 極度の緊張状態で手術した為、あるいは損傷が激しかった為、他の部位を心臓と間違えた

② 会見で様々な説明を繰り返すうちに記憶が混乱してしまい、心臓ではない部分を心臓と間違えて発言した

③ 福島氏は実は損傷部位を直接見ておらず、他の手術者から聞いた事を話していた。その際に聞き間違いをした

①についてその道のプロが他部位と心臓を間違うという事は考えにくいですが、②③は可能性として考えられると思います。 病院の会見中でも、福島氏は左肩の傷を最初はただ傷と述べていたにもかかわらず、後に射出口と考えられると発言したり、 弾の経路は専門家に聞かないと分からないと発言したことなど、情報が途中で変わったり全てに自信をもって発言している訳ではないことが分かります。

<病院側の発表が正しいとしたら、なぜ弾が見つからないのか>

仮に頸部から侵入して心臓に損傷を与えたとしたら、その弾は内部に留まるか体を貫通する筈ですが、貫通した痕も無く弾も見つかっておりません。考えられる理由は以下があります。

① 弾が貫通しなかったのは、ホローポイント弾を使用した

② 弾が見つからないのは、体内で溶ける弾を使用した

③ 本当は見つかっているが、見つかっていないと警察が嘘をついている

①②どちらも満たす弾が本当に実在するかどうか、また③も真実は解りません。しかし、いずれにせよこれから解ることは、どうしても狙撃したという事を知られたくなかったという事に他なりません。

■ 狙撃した事は明かされたくないが、狙撃で暗殺せねばならない合理的な理由はあるのか

単独犯に仕立て上げることで黒幕の存在を知られたくない事が狙撃理由として考えられますが、間近できちんとした銃で発砲するより遠くから撃つ狙撃の方が失敗するリスクが高い訳で、 狙撃したことが発覚してしまう位なら、安倍氏の暗殺が実現できなくても良いと考えている事になります。 そうでなかったら、わざわざ体内で溶ける弾は使用せずより確実な弾丸を使用しますし、山上と連携して実行するという事自体、失敗リスクが高すぎます。 例え警察と黒幕がグルになって仕組んでいたとしても、安倍氏の暗殺を第一目的と置くならば、狙撃が発覚したとしても確実に暗殺できる方法を選択する筈です (山上の2回目の発砲を待って狙撃する必要はない)。

私はここが一番不可解な点だと考えています。もし黒幕がいるなら相当大きな力を持っている筈で、その黒幕がここまで計画した挙句、安倍氏の暗殺を第一に置かないことなどあるのでしょうか? つまり私達のような素人でも狙撃説を疑う事ができで、それでいて一応それっぽく山上単独犯を思わせる程度の状況を、暗殺失敗リスクを上げてでも作り上げたという事です。 私はそれは考えづらいと思います。警察がグルになっていたら、もっと露骨に嘘っぽい状況でも単独犯説を演出するでしょう。 また黒幕の存在を知られたくないならば、狙撃は確実に行わせ、その狙撃手を真実とともに闇に葬り去ることだって出来たはずです (それこそまさにケネディ大統領の暗殺事件の時の様に)。

私は完全に狙撃説を否定していませんが、今の情報からは狙撃ではない説の方がまだ有力かと思います(黒幕の存在有無はまた別の話です)




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