「たけしの万物創世紀」最終回で語る"生きる意味"とは



自分の思うこと

公開日:2023/3/25    

■ 「たけしの万物創世紀」

たけしの万物創世紀は、1995年10月から2001年3月まで、テレビ朝日系列で放送されていた番組です。 番組の内容はもちろん、筒井京平さんが作曲されたテーマ曲もとても素晴らしいものでした。

最終回テーマの「ヒト」の中で、ヒトが生きる意味についての番組の考えが印象深かったので、私の意見を記しておきます。

■ なぜ人には老後という時期があるのか

人は他の動物に比べ子孫を残した後にも生存する期間が圧倒的に長く、例えば鮭は産卵後すぐに死んでしまいますし、チンパンジーも生殖期を終えて5年程度で寿命を迎えるのに対して、 人は生殖期を終えてから40年近くも生きていられます。番組はこの理由を子孫に知恵を授けるための期間としています。この説は広く知られている説ですし、特に異論はありません。 強いていうなら、子孫に知恵を授けるため生殖期を終えても生きているのではなく、生殖期を終えても生きて子孫に知恵を授けてきた種族が、結果生存競争に勝ち残った。という方が正しいかもしれません。

■ 人の生きる意味

ではそもそも、なぜ人は生きているのか、生きる意味は何なのかという問いに対して番組は「引き継いできた英知をもとに、地球の生命を宇宙に飛びだたせるため」としています。 以下にそのナレーション部分を引用します。

~たけしの万物創世紀 最終回「ヒト」より引用~ とても感動するシーンです。

人だけが生み出した知恵と心は、夢を現実に変える。そして現実は希望を生み出した。
それは宇宙へと旅立つこと。人は今、新たなる世界に挑戦を始めた。

今から50億年後、我々の太陽はその生涯を閉じる。それは誰にも変える事のできない宇宙のリズム。 そのとき、この星に住む生命はどうしているだろう。太陽と共に宇宙の闇に消えるのだろうか。

38億年前、この星に誕生した小さな生命の未来、それはそのままこの地球で太陽と共に滅亡する運命だったかもしれない。

だが、我々人は、引き継いできた英知の積み重ねによって、地球生命を宇宙へ飛びだたせることが可能となった。
過去の英知をもとに未来を切り開く。地球生命を宇宙生命へと変える。それこそが我々人の使命なのだ。

人として生きる。それがあなたが今ここに生きている、人生の意味。



<その考えは人間の傲慢ではないか>
私が子供の頃にこの最終回を見た時は、素直に感動しましたし、そういう事なのかと納得しました。 しかし大人になり、自分の考えが成熟してきた時に、これは人間の傲慢な考えではないかと思うようになりました。

この考えは、人間は他の動物に対して何をしても許されるという考えに繋がりかねませんし、動物それぞれの個はだれも宇宙に行くことなど望んではいない筈ですから。

<一周回って改めて納得>
しかし、そこから更に年を重ねるうちに「宇宙にいく使命、それもそうかな」と再度納得するようになってきました。 人もその他全生命も、もともとは一つの単細胞生物から始まっており、something greatによって単細胞生物は「ありとあらゆる手段を使って未来永劫生き残れ」という意思を全生命に託した筈なのです。

よって、いずれ太陽が生涯を迎える時期に備えて、あらゆる可能性を模索するために宇宙に旅立つことは、遺伝子に組み込まれた意志に基づいた当然の帰結であるという考えに至りました。

では、その為には他の全生命に対して何をしてもいいのか?という疑問に対しては、半分正しく(生き残るためには仕方がない)、半分誤り(他生命と共存するための人間の克服すべき課題)なのだと考えています。

■ 最終回のエンディング

最後の所さんとたけしさんの挨拶の後に、エンディングへと続きます。 今度は未来ではなく過去に遡り、地球が出来てから人類が大地に降り立つまでの長い道のりが描写され、そこに番組のテーマ曲が気持ちよくマッチして、 映画を見ている様な感動と余韻に浸ることができます。一度も見たことが無い方、もう一度見たい方とも改めてこの感動を共有したい思いです。






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