警察の組織構成, 階級と役職

警察の組織構成は以下のとおり。警察庁は国家公安委員会に所属しており、警察庁長官が都道府県公安委員会を監督、指揮することができます。警視庁は地方行政機関である都道府県公安委員会に所属しており、東京都を管轄する機関です。

＜キャリア組とノンキャリア組の違い＞
キャリア組とは、国家公務員総合職試験に合格した人のことで、警察庁に所属します。ただし警視庁含む都道府県警の署長以上の立場として出向する場合もあります。ノンキャリア組とは、地方公務員試験である都道府県警察採用試験に合格した人のことで、警視庁含む都道府県警に所属します。

キャリア組とノンキャリア組の違いは、国家公務員か地方公務員の違いがありますが、それぞれなれる階級も異なります (後述で説明)。

なお国家公務員で総合職試験ではなく一般職試験の方に合格した人はキャリア組とは呼びません。その人達は主に事務職や技術職に従事し、警察官としての階級には就きません。

＜警察本部(警視庁含む)と所轄の違い＞
テレビドラマなどで、殺人事件が発生した場合、警察本部が所轄に乗り込んで捜査指揮をするというシーンがありますが、これは捜査本部と所轄の役割の違いによるもので、凶悪な犯罪については警察本部が捜査する役割になってます。その際所轄は、捜査本部としての場所を提供する必要があり、警察本部の指示のもと地域や犯行現場付近の情報収集や見張り等を行います。

■警察の階級、役職

警察の階級、役職は以下のとおり。階級は、警察官個人の職務上の権限や責任を示すランクのことで、役職は階級に応じて与えられる役割のことです。従って、同じ階級でも所属組織が異なれば役職も変わります。

なお警察のトップは警察庁長官で、警視総監や警視監からなります。警視総監は警視庁のトップで、警察庁からの出向者がなります。

＜アニメやドラマの登場人物の階級＞

＜刑事とは＞
刑事とは、警察官の中でも刑事事件を担当する警察官のことをいい、階級としては主に巡査や巡査長が刑事になります。

＜公安とは＞
公安とは公安警察のことで、警察組織の中に所属します。主にスパイ活動やテロ活動など、国家の安全や社会の安定を脅かす行為に対する情報収集や捜査を専門としています。秘匿性が高い業務であるため、同じ警察組織内であっても他部門との情報共有は行いません。

なお公安警察は、国家公務員として警察庁に所属しているものと、地方公務員として各都道府県警察に所属(公安部門として存在)しているものがそれぞれいます。

＜特殊急襲部隊とは＞
特殊急襲部隊(SAT: Special Assault Team) とは、重大テロ事件やハイジャック、銃器などを使った事件に対応するための組織で、日本の警察庁および8都道府県警察(東京都、北海道、神奈川、千葉、愛知、大阪、福岡、沖縄)に所属しており、警察庁が指揮監督を行い、実際の部隊は各都道府県警察の機動隊内に設置されています。

なおSATではない通常の機動隊は全国の都道府県警察に設置されています。

＜特殊犯捜査係とは＞
特殊犯捜査係(SIT：Special Investigation Team)とは、誘拐や人質立てこもり事件に対応するための組織で、全国の都道府県警察に設置されております。 SATに比べ比較的軽微な事件を扱うため、装備もSATの方が重厚です。

＜別班とは＞
別班とは、テレビドラマ「VIVANT」でも存在を明かされている部隊のことで、実在するかは不明です。別班は防衛省に所属している自衛隊内の部署である設定のため、警察とは別組織です。