子供の頃の時間が長く感じる本当の理由



心理学, 行動経済学

公開日:2023/5/5    

■大人の時間が短く、子供の頃の時間が長く感じる理由

ジャネの法則とは、19世紀のフランスの哲学者 ポール・ジャネが提唱した法則で「時間の心理的長さは年齢に反比例する」というものです。

これは大人になってからの時間はあっという間に過ぎ、子供の頃の時間は一日がとても長く感じるという現象を説明した法則ですが、 そうなる理由はジャネは説明しておらず、よく言われるのは「子供の頃は毎日が新しい体験の連続である一方、大人になったら同じことの繰り返しのため、 時間当たりの情報密度が濃い子供の方が時間を長く感じる」という説明です。

私はジャネの法則自体は当てはまると思うのですが、その現象を引き起こす上記の理由についてはあまり納得できません。

アインシュタインは「熱いストーブに手をかざしている時間は長く感じるが、美人との一緒の時間は短く感じる」という旨の説明をした様に、 辛いときは時間は長く感じ 楽しいときは時間があっという間に過ぎる、という現象は実感にあいますので「子供の方が大人より密度の濃い経験を送っているから、子供が時間を長く感じる」というのでは、説明はつかないと思います。

■子供の時間が長く感じる本当の理由は、体重にある

体が大きく寿命が長いゾウでも、体が小さく寿命が短いネズミでも、体感時間は等しいという説があり(詳細はゾウの時間 ネズミの時間)、 この現象が子供と大人の体感時間の差になっていると私は考えます。 確かに子供は体が小さく脈拍が早く、大人は体が大きく脈拍もゆっくりになっており(詳細はこちら)、ゾウとネズミの関係に等しくなっています。

つまり一生を生き切った間隔はゾウもネズミも変わらないのですが、それは情報密度の濃さには関係は無いということです。




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