心臓の不整脈の原理



生物学/栄養学

公開日:2023/3/10   

前提知識
心臓の構造


■ 不整脈の原理

不整脈とは、心臓の脈拍が不安定な状態のことで、異常に早い脈(頻脈)や遅い脈(徐脈)も含まれます。 以下は正常時の心臓の動作の動きです。心臓は洞穴節で電気信号を生成し、それを心臓全体に流すことで心臓の筋肉の収縮を行います。 不整脈は、この電気信号の生成異常か、電気信号がうまく伝わらないことで引き起こされます。



不整脈の種類は大きく以下に分けることができます。

<頻脈>
電気信号が通常より早く生成されるか、通常とは別の電気の通り道ができて、一回の電気信号で複数回の筋肉の収縮を引き起こしてしまう事によって発生します。 より具体的な症状に、心房細動、心室細動、WPW症候群があります。

<心房細動>
電気信号の生成異常などによって、心房がけいれんした状態を指します。心房細動を発症すると動機やめまいが発生。脳梗塞のリスクが高まります。

<心室細動>
心室がけいれんした状態を指し、全身に血液を送ることができなくなります。心停止状態となり、短時間のうちに症状を改善させないと死亡に至ります。 心室細動の原因の一つに心筋梗塞があります。心筋梗塞とは心臓に血流を送る冠動脈が閉塞することで、心筋が酸素不足の状態に陥る状態のことです。

なおAEDは電気信号を外部から与えることで心室細動を治すために用いられ、完全に止まった心臓を再び動かすための物ではありません。

<WPW症候群>
WPW症候群とは、通常の電気信号の伝導路とは異なる伝導路(ケント束という)が存在するため、上室(心房)の頻脈を引き起こします。 この頻脈が長時間連続で発生すると、心不全を引き起こす場合もあります。 なお心房細動との違いは、心房細動はその動きが不規則であるのに対し、こちらは比較的規則的な動きとなります。

WPW症候群は、ケント束の位置によって3つに分類されます。


<徐脈>
電気信号の生成が通常より遅いか、うまく電気信号が伝わらないことで発生します。より具体的な症状に、洞不全症候群があります。

<期外収縮>
洞結節以外から電気的信号が生成され、通常とは異なるタイミングで心臓の収縮が起こる現象の事です。 電気信号が心房から出る場合には心房性期外収縮、心室から出る場合は心室性期外収縮といいます。




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