進化の種類



生物学/栄養学

公開日:2021/5/30    

関連知識
進化論


進化の種類について説明します。進化には大きく分けると、適応進化、共進化、中立進化があります。

■適応進化

生物がより高確率で生き残れるように適した進化を適応進化といいます。適応進化には、自然淘汰によるものと性淘汰によるものがあります。

<自然淘汰>
木の葉にそっくりな蛾は木の葉に似せようと進化したのではなく、木の葉に似た蛾が敵に襲われる確率が低くなり、結果的に、より木の葉に似た蛾が生き残った。この様に、自然環境の条件に合わせて、生存に有利になる進化を自然淘汰という。 これは、生物が環境に適するように意図をもって進化したのではなく、遺伝子の突然変異が偶然にも環境に適していた結果であるということを意味しております。

<性淘汰>
クジャクのメスは羽が大きく美しいオスを好むため、羽の小さなオスは淘汰され、世代を重ねるとより羽が大きく美しいクジャクばかりになる。この様につがい相手を見つけるのに、より有利になる進化(淘汰)を性淘汰といいます。

しかしなぜメスのクジャクは羽が大きく美しいオスを好むのでしょうか。「その方が生存確率/子孫を残す確率を上げるから」の筈ですが、オスの羽根が大きく美しいと敵に見つかりやすくなるので、生存に対して不利になる筈です。 うまく生き残ることができる、目立たない羽を持つオスを選んだ方が良いと思うかもしれません。これはダーウィンも悩ました問題で、 最終的には「生存に不利な大きく美しい羽根を持っているにも関わらず生存できているという事は、それだけそのオスが優秀であるから、メスが選択している」という考えに至りました。 ただしこれはメスが意図的に選択しているのではなく、実際にその方が生き延びるのに有利だったという結果を表しているに過ぎません。

■共進化

ライオンはトムソンガゼルを食べるために足が速いライオンが生き残っていく。トムソンガゼルはライオンから逃げるために足が速いトムソンガゼルが生き残っていく。この様に、互いに影響を与えながら両方の種が進化することを共進化といいます。

■中立進化

自然淘汰のような自然環境に適していたため生き残ったというものではなく、有利不利はなく、単なる偶然によって生き残っていった進化を中立進化といいます。 例えば、黄色い花と赤い花が存在していたとして、何かの偶然で赤い花が育たなかったとすると、次の世代は黄色い花ばかりが生まれ、最終的に黄色い花しか存在しなくなるといいます。




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