脳の構成 ニューロンの仕組み



生物学/栄養学

公開日:2021/10/23    

■脳の構造

脳の構造を説明します。脳は大きく分けて大脳、小脳、脳幹に分かれており、大脳は大脳新皮質と大脳辺縁系に分かれます。大脳新皮質は主に理性や知性を司るところで、哺乳類にしかない部位です。 しかし哺乳類に大脳新皮質があるといっても人間以外の哺乳類には人間ほどの知性はありません。どうやら大脳新皮質の動きが異なるようです。

<脳の構成>



<大脳新皮質の構成>


<大脳皮質と大脳新皮質の違い>

大脳皮質と大脳新皮質の違いは以下のとおり。大脳皮質の一部に大脳新皮質、古皮質、旧皮質があり、また大脳辺縁系という括りで考えると古皮質や旧皮質や中間皮質、皮質下核があります。 大脳皮質と大脳辺縁系の分類の違いをみた時に、大脳皮質は大脳新皮質があるか否かが特徴的なので、大脳皮質のことを大脳新皮質という場合が多い気がします。

■ニューロン

ニューロンとは脳を構成する神経細胞のことです。ニューロンには他のニューロンから情報受けるための樹状突起と、他の複数のニューロンに情報を伝えるための軸索があります。 シナプスと呼ばれる他ニューロンとの連結部で、神経伝達物質を送ることで脳内で様々な情報のやりとりが行われ、感情や意識、思考などがこのニューロンによって作り出されます。

人間のニューロンの数は約1000億、シナプスの数は約150兆個ありますが、これは各ニューロンが活性化する/しないというパターンの組み合わせとして考えると、 ニューロンの活性化パターンは理論的に2の1000億乗個ある事を意味しています。



なお近年の人工知能に用いられている技術に、このニューロンを模した「ニューラルネットワーク」を使っており、非常に目覚ましい成果を上げています。 しかし人間並みの知能をコンピュータで実現しようと思ったら、とてつもない規模のコンピュータを必要としているのが実状であり、 それに比較してとても小さな容量で実現している人間の脳は凄いことだと思います。小型で人間の脳並みのコンピュータを作るとしたら、やはり有機化合物で作る必要があるのでしょうか。

■ペンフィールドのホムンクルス

ホムンクルスとは「小さな人」という意味で、カナダの神経外科医ワイルダー・ペンフィールドが発見した、脳と体の器官の神経のつながりを表したものです。これを脳地図ともいいます。 手先や口などの器官が、他の器官に比べて脳の大きな部分の領域を占めており、それを人間の模型として表現すると、とてもいびつな小人に見えます。



非常に興味深い事として、脳地図で隣り合っている器官は刺激が連動しやすいという事です。例えば足の裏を刺激したら生殖器の刺激を感じる人がいますが、これはそういう理由からです。 また事故などで手を無くした人が、その後でも手がある様に感じる「幻肢」という現象も、感覚が脳地図の近い器官に移っており、そこを刺激すると手の刺激として感じるという事が分かっています。

■クオリアとは

クオリアとは、 自らの経験にもとづく主観的な感覚のこと。例えば「痛い」「赤い」「清々しい」などは、自分の感じる「赤い」と他人の感じる「赤い」は同じではなく、 自分でしか感じる事の出来ない感覚である。




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