自由意志, 決定論とは



生物学/栄養学

公開日:2025/9/6   

■自由意志とは

自由意志とは、人間が外的要因 (環境、強制、他者からの命令など) や内的要因 (本能、欲望、遺伝的傾向など)に完全に決定されることなく、 自分自身の選択に基づいて行動や判断を下す能力、あるいはその感覚のことです。

上記定義においても解釈に違いがあり、「全く同じ状況でも違う選択をできたはずだ」と考えるのは強い自由意志。 「何かに強制されることなく自分の意図に基づいて行動できている」と考えるのは弱い自由意志とされます。

■決定論とは

決定論とは、人間の選択や行動も、物理法則・遺伝・環境・脳活動によって完全に決定されており、自由意志はないとする考えのことです。

<ラプラスの悪魔>
ラプラスの悪魔とは、フランスの数学者・物理学者ピエール=シモン・ラプラス (1749–1827) が提示した思考実験で、 「もし宇宙のすべての粒子の位置と運動量を完全に知る存在 (=悪魔)がいるならば、その存在は未来も過去も完全に予測できるはずだ」というものです。 もしこの仮説が成り立つなら、私たちの行動はすべて物理法則に従って決定されることになり、自由意志は存在しないことになります。

しかし、その後登場した量子力学によって、原子や素粒子の振る舞いは確率的にしか決定できないことが明らかになりました。 したがって、すべての粒子の運動を完全に知ることは不可能であり、自由意志が存在しないと断定することはできません。




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