ラマルクとダーウィンの進化論の概要を説明します。
■ ジャン=バティスト・ラマルク
ジャン=バティスト・ラマルク(1744-1829)はフランスの生物学者で、
多用する器官は発達、あまり必要のない器官は退化し、生物が生存する過程で後天的に獲得した形質が遺伝するとした「用不用説」を唱えました。
生物自身が「必要」と思う意思が遺伝に影響するとも言われており、これらの説は科学的根拠に乏しいことから、現在この説は支持されておりません。
有名な例にキリンの首の例があります。キリンの首が長くなったのは、高いところにある食べ物を食べるように頑張って首を伸ばした結果、進化していったというものです。
なおMr.childrenの「進化論」という曲の一節に以下のような歌詞があります。桜井さんはラマルクの進化論を支持しているということが分かります。
進化論では首の長い動物は 生存競争の為にそのフォルムを変えてきたという
「強く望む」ことが世代を越えていつしか形になるなら この命も無駄じゃない
確かにラマルクの進化論は桜井さんが言う様に、自分が存在した意義を見出せる考え方なので、私も心情的にはこれを支持したいです。
■ チャールズ・ダーウィン
チャールズ・ダーウィン(1809-1882)はイギリスの自然科学者で、
生物の進化には生物の意思とは関係なく、突然変異によって偶然獲得した形質が、その環境に適していた場合に生き残っていくという「自然選択(淘汰)説」を唱えました。
後天的に獲得した形質は遺伝しません。この説は生物の意思が遺伝子に対してどのように影響するかを考慮することなく説明できる説なので説明性が高い説として受け入れられ、主流の説となっております。
ただしこの説は"生物の意思が遺伝子に何も影響を与えることはない" ということを証明したものではありません。
有名な例に、木の葉にそっくりな蛾は木の葉に似せようと進化したのではなく、木の葉に似た蛾が敵に襲われる確率が低くなり、結果的に、より木の葉に似た蛾が生き残っていったというものです。
■ グレゴール・ヨハン・メンデル
グレゴール・ヨハン・メンデル(1822-1884)はオーストリア帝国の遺伝学者で、ダーウィンの叶わなかった遺伝の法則を明らかにしました。有名な例にエンドウ豆の遺伝の法則があります。
■ エドワード・ドリンカー・コープ
エドワード・ドリンカー・コープ(1840-1897)はアメリカの古生物学者で、同系統の進化において、大きなサイズの種がより新しい時代に出現する傾向があるという、定向進化説(コープの法則)を唱えました。
生物は特定の方向に進化しようとする性質が本来備わっており、生物は自ら求めてそういう方向に進化したと考えます。
例えば、ゾウの祖先はイノシシ位の大きさだったが、次第に大きくなり、マンモスやアフリカゾウのような大きさになった事例が挙げられます。
コープの法則は、限定的ですが法則が当てはまることを認められていますが、生物の意志によってそういう方向に進化したという考えは受け入れられておりません。
<年表>

■生物分布の法則
以下の様な法則があります。
<ベルクマンの法則>
ベルクマンの法則とは、ドイツの生物学者 カール・ゲオルク・ルカス・クリスティアン・ベルクマン(1814-1865)が提唱した法則で、
寒い地域に住む動物ほど体が大きくなるという。例えば、寒冷地に住むホッキョクグマは体が大きいが、温暖地域に住むマレーグマは体が小さい。
これは、体が大きい方が体の体積に対する表面積の割合が小さくなるため、体温を維持しやすいという理由があります。
類似の法則にアレンの法則があり、寒い地域の動物は耳や尾などの突出部が小さくなるという。これも体温維持に関わっています。
<フォスターの法則>
フォスターの法則とは、島しょ部においては大型動物は小さくなり、小型動物は大きくなるというもの。
これは捕食する側と捕食される側のバランスからこの様になる。島では絶対的な生物数が少ないため、大きな生物が育たない。
大きな生物がいなくなるという事は、補足される側としても体が大きくなっても捕食者に見つかり捕らえられる事がなくなるため、どんどん巨大化していく。
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