古事記とは
目次
登場人物, 神の系図
鬼畜エピソード
三種の神器, 神代三剣
高天原の場所
古事記の類似点
神勅
 上つ巻
・ 別天つ神と神代七代
・ 伊邪那岐神と伊邪那美神
・ 天照大御神と須佐之男命
・ 大国主神の国造り
・ 建御雷神の葦原中国の平定
・ 瓊瓊杵尊の天孫降臨
・ 火遠理命, 鸕葺草葺不合尊
 中つ巻
・ 神武天皇の東征
・ 綏靖天皇~開花天皇
・ 崇神天皇, 垂仁天皇
・ 景行天皇, 倭建命
・ 成務天皇, 仲哀天皇
・ 応神天皇, 天之日矛
 下つ巻
・ 仁徳天皇, 履中天皇
・ 反正天皇, 允恭天皇
・ 安康天皇, 雄略天皇
・ 清寧天皇,顕宗天皇,推古天皇まで
|
関連知識
・登場人物, 神の系図
■第1位 倭建命の大碓命 殺人事件
話の詳細はこちら。
あるとき景行天皇は小碓命(おうすのみこと, = 倭建命(やまとたける))に「お前の兄の大碓命(おおうすのみこと)に対して、朝夕の食事にきちんと出てくるように、ねぎ(丁寧に)教え諭してやりなさい」と言いました。
しかし五日たっても大碓は食事に出てこないため、天皇はその理由を小碓命に尋ねると、 小碓命は「もう"ねぎ"ました」と言いました。天皇は更に「どのように"ねぎ"諭したのか」と尋ねると、「明け方に兄が厠に入った時に、捕まえて手足をもぎ(ねぎ)取り、ムシロにくるんで投げ捨てました」と小碓は答えました。
<鬼畜ポイント>
小碓命は、ねぎ(丁寧に)を、ねぎ取る(もぎ取る)と勘違いして、そのまま実の兄を殺害してしまいました。普通は、何かおかしいと思ってその意図を相手に聞き返したりするのではないかと思いますが、
小碓命は何の疑問も躊躇いも持たず殺してしまいました。
■第2位 八十神の大国主神 殺人未遂事件
話の詳細はこちら。
大穴牟遅(おおあなむじ,=大国主神(おおくにぬし))は、兄弟である八十神(やそのかみ,多くの神のこと)の求婚を断った八上比売(やがみひめ)と結婚しました。
八十神は怒り、大穴牟遅を殺すため伯耆の国の山の麓に連れていき「我らが赤い猪を追い下すから、下で待ち受けて捕まえろ。もし捕れないならお前を殺す」と大穴牟遅に言い、猪に似た大きな石を火で焼いて転がし大穴牟遅にぶつけ、殺してしまいました。
大穴牟遅の母は泣き悲しみ、天上界の神産巣日之命(かんむすひのみこと)にお願いした時に、𧏛貝比売(さきかいひめ)と蛤貝比売(うむかいひめ)を遣わし、身を削った貝殻の粉をあつめ、貝汁で練り母乳の様にして塗ると、大穴牟遅は復活しました。
八十神はこの様子を見て、また大穴牟遅を山に連れて入り、大樹を切り倒し、その木に楔を打ち込んで出来た隙間に入らせた瞬間に楔を外し大穴牟遅を挟んで殺してしまいました。この時もまた母親が泣きながら木を割いて中から取り出し生き返らせました。
<鬼畜ポイント>
大国主神を兄弟総出で執拗に殺そうとしたこと。しかも殺し方が常人の発想では思いつかない方法であることが、鬼畜度が高いです。
なおこの後に大国主神は、須佐之男命にも火攻めで殺され掛けます。
■第3位 水歯別命の曽婆加里 殺人事件
話の詳細はこちら。
伊邪本和気王(いざほわけのみこ,履中(りちゅう)天皇)は磐余の若桜宮で天下を治めました。あるとき大嘗祭の後の饗宴をした時に、酒を飲んで心が浮かれて寝てしまいました。
このとき天皇の弟の墨江中王(すみえのなかつみこ)は天皇を殺そうとして、御殿に火を着けました。そこで、阿知直(あちのあたい)が天皇を助け出して馬に乗せて大和まで連れて行きました。
この様な時に、もう一人の弟の水歯別命(みずはのわけのみこ)が天皇に会いに来ましたが、天皇は「墨江中王と同じ心かと疑っているので、会うことは出来ない。もし墨江中王を殺したならば、きっと話し合うぞ」といいました。
そこで水歯別命は難波に戻り、墨江中王の側近の隼人の曽婆加里(そばかり)を騙して、「もし墨江中王を殺したら、私が天皇となってお前を大臣にしてやろう」と言いました。すると曽婆加里は墨江中王が厠に入る時に矛で突き刺して殺しました。
水歯別命は、曽婆加里を伴って大和に行くときに、「曽婆加里は功績を上げたけども、自分の仕える主を殺したのは義に反する。しかし功績に報いなければ信が立たない。なので功績を報いた後で殺してしまおう」と考えました。
そして嘘の大嘗祭と祝宴を催し、大きな盃にお酒を入れて、曽婆加里が飲んで顔が隠れている時に剣を取り出し、曽婆加里の首をはねました。
<鬼畜ポイント>
墨江中王の殺害を命じた本人が、それに従った曽婆加里の事を義に反すると言って殺害してしまうのは、なかなか鬼畜度が高いです。
しかも酒を飲ませて功績に報いている最中に殺してしまうとは、一石二鳥とでも考えていたのでしょうか。
■第4位 雄略天皇の赤猪子との約束すっぽかし事件
話の詳細はこちら。
ある時、河のほとりで衣を洗う美しい乙女の引田部赤猪子(ひけたべのあかいこ)がいたので、雄略(雄ゆうりゃく)天皇は「おまえは結婚せずにおれ、ほどなく宮廷に召し入れよう」と言って宮廷に帰りました。
赤猪子は、天皇から言われたことを待って八十年が過ぎました。赤猪子は「天皇を待っている間に多くの年が過ぎ、自分の姿は痩せしぼみ、頼みとする美貌もない。しかし待ち続けて今に至る私の気持ちを天皇に打ち明けなければ、耐えられない」
と思って、たくさんの贈り物を持ち、宮廷に参上しました。しかし天皇は、以前に赤猪子に言ったことを全く忘れていて、赤猪子に「お前はどこの婆さんか、どういう訳で参内してきたのか」と言いました。
赤猪子は事情を説明し、これを聞いた天皇はとても驚き、「私はすっかりそのことを忘れていた。それなのにお前が言ったことを守り通し、むなしく乙女盛りの年を過ごしてしまったのがなんとも哀れで悲しい」と思い、
結婚は成しえないことを哀れんで、御歌を贈りました。この御歌に赤猪子が泣き涙は溢れ、着物のそれをすっかり濡らし、答えて歌を歌いました。
<鬼畜ポイント>
天皇に言われたら従うしかない立場の乙女に、結婚せずに待っていろと言っておきながら、それを忘れてしまうのはあまりにも酷すぎます。
しかも老婆になった赤猪子が宮廷に参上した際に、赤猪子に対して「なんとも哀れで悲しい」と言い、歌を歌って帰してしまうところが鬼畜っぷりを発揮しています (せめて居させてやれよと)。
雄略天皇は残虐性の高いエピソードをいくつも持っていますが、個人的にはこの話が際立っていると思いました。
■第5位 瓊瓊杵尊の石長比売 返却事件
話の詳細はこちら。
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は笠沙の岬にて、麗しき娘である木花之佐久夜毗売(このはなのさくやびめ)と出会いました。瓊瓊杵尊は結婚したいと伝えると、サクヤビメは父の大山津見神に申し上げると言いました。
そして大山津見神はとても喜んで、姉の石長比売も差し出しました。しかし姉はとても醜かったので瓊瓊杵尊は石長比売を送り返し、妹のサクヤビメとは一夜の契りを結びました。
そのことで大山津見神とても恥じて物申す使者を立ててこう言いました。「娘を二人一緒に差し上げたのは理由があって、石長比売をお召しになったならば子孫の寿命は岩のごとく長くなるでしょう。
サクヤビメをお召しになったならば子孫は桜の花のように栄えるでしょうと、予め誓約を立てて差し上げました。しかし石長比売を返したことで子孫の寿命は花の盛りの間だけでしょう」。
この事があったために今に及ぶまでの天皇たちの寿命は長くないのです。
<鬼畜ポイント>
醜いからという理由で、神様から差し出された姉妹の片方だけを召し上げ、片方の娘を返してしまうのは、なかなか鬼畜です。せめて建前として違う理由をつけてあげられなかったのでしょうか。
なお、姉妹のうち醜い娘の方を返してしまうという同じような事件が垂仁天皇のときにも起きてしまいます。天皇家、恐るべし!
■第6位 須佐之男命の高天原での大暴れ事件
話の詳細はこちら。
須佐之男(すさのお)は天照大御神(あまてらすおおみかみ)に、「私の心が潔白だったので女神を成し得たのです。この事から誓約は私の勝ちです」と言って、勝ちにまかせて田に引く水路の溝を埋めたり、大嘗祭の御殿に糞をまき散らしました。
最初は天照大御神は須佐之男のことをかばっていましたが、ある時、祭りの衣を織っている建物の天井に穴をあけ、天の斑馬を尻の方から皮を剝いで落とし入れた時に、服織女がそれを見て驚き、機織り機に陰部を突いて死んでしまいました。
<鬼畜ポイント>
古事記の序盤に出てくる話なので、割と有名な話かと思います。天井に穴をあけ天の斑馬を尻の方から皮を剝いで落とすというのも、なかなか常人にはできない事ですが、
そこから服織女が驚いて、機織り機に陰部を突いて死んでしまうという、古のピタゴラスイッチを演出します。そして、この事件に天照大御神は驚いて天の石屋に隠れてしまいます。
古事記とは
目次
登場人物, 神の系図
鬼畜エピソード
三種の神器, 神代三剣
高天原の場所
古事記の類似点
神勅
 上つ巻
・ 別天つ神と神代七代
・ 伊邪那岐神と伊邪那美神
・ 天照大御神と須佐之男命
・ 大国主神の国造り
・ 建御雷神の葦原中国の平定
・ 瓊瓊杵尊の天孫降臨
・ 火遠理命, 鸕葺草葺不合尊
 中つ巻
・ 神武天皇の東征
・ 綏靖天皇~開花天皇
・ 崇神天皇, 垂仁天皇
・ 景行天皇, 倭建命
・ 成務天皇, 仲哀天皇
・ 応神天皇, 天之日矛
 下つ巻
・ 仁徳天皇, 履中天皇
・ 反正天皇, 允恭天皇
・ 安康天皇, 雄略天皇
・ 清寧天皇,顕宗天皇,推古天皇まで
|
|
|