旧約聖書の概要



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公開日:2021/1/22 , 最終公開日:2024/11/24      

関連知識
 ・ 新約聖書
 ・ モーセの十戒
 ・ ユダヤ人


■旧約聖書とは

ユダヤ教にとっての聖書のことです。ユダヤ教にとっては旧約聖書のことを旧約とは呼びません。キリスト教にとっての聖書が新約聖書です。

旧約聖書は人間が生まれてからのユダヤ人(へブル人)の歴史(約BC500年のバビロン捕囚辺りまで)や神の教えが書かれております。BC約1000年頃から書かれ始め、BC500年頃にまとめ上げました。

■旧約聖書の概要

神様がアダムを土から作り、アダムの肋骨からイブを作りアダムの妻となりました。

アダムとイブの子供に、カインとアベルがいます。カインは農耕を、アベルは羊を放牧をしておりました。ある時、神へ供物を捧げたときに、神はカインの供物を見向きもしなかったことから、 カインはアベルを恨みアベルを殺害してしまいます。これが人類最初の殺人とされております。

ノアの箱舟や、バベルの塔、モーセの十戒などの物語は旧約聖書に書かれている出来事です。 アダムとイブの子孫であるアブラハムとがイスラエルの祖となり、そこからユダヤ人の歴史へと繋がっていきます。

なお旧約聖書には明記されていませんが、古代ユダヤの伝承として、アダムの最初の妻はリリスで、リリスはアダムと平等に扱う様に主張しましたが認められずエデンの園を離れ、その後リリスはサタンの妻となり、リリンを産んだとされています。


<王国分裂以降>

<周辺地図>

<アブラハムの子>
「アブラハムの子」という童謡があります(出だしが"アブラハムには7人の子~")が、これは旧約聖書のアブラハムの事です。 7人の子どものノッポがイサクで、残りの6人は2番目の妻ケトラとの子で、ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアハです。 イサクと6人の子どもは歳が離れているのでイサクをノッポと表現しています。また本当の長男であるイシュマエルがこのアブラハムの7人の子として数えられていないことが分かります。

■十二支族

イスラエルの十二支族とは、ヤコブの12人の子供から成り立った部族のことで、 12人の子供はルベン、シメオン、レビ、ユダ、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、イッサカル、ゼブルン、ヨセフ、ベニヤミンです。

その中で行方の分からなくなった部族を"失われた十支族"といい、ルベン族、シメオン族、ダン族、ナフタリ族、ガド族、アシェル族、イッサカル族、ゼブルン族、ヨセフ族(マナセ族、エフライム族)で、 ガド族、エフライム族は日本にも移住したという説があります。残りのレビ族、ユダ族、ベニヤミン族の子孫が現在のユダヤ人考えられています。

■構成

■ 律法
 ・ 創世紀
 ・ 出エジプト記
 ・ レビ記
 ・ 民数記
 ・ 申命記

■予言書
<前預言書(歴史書)>
 ・ ヨシュア記
 ・ 士師記
 ・ サムエル記(上下)
 ・ 列王記(上下)
<後預言書>
 ・ イザヤ書
 ・ エレミヤ書
 ・ エゼキエル書
 ・ ホセア書
 ・ ヨエル書
 ・ アモス書
 ・ オバデヤ書
 ・ ヨナ書
 ・ ミカ書
 ・ ナホム書
 ・ ハバクク書
 ・ ゼファニヤ書
 ・ ハガイ書
 ・ ゼカリヤ書
 ・ マラキ書

■ 諸書
 ・ 詩篇
 ・ ヨブ記
 ・ 箴言(しんげん)
 ・ ルツ記
 ・ 哀歌
 ・ 歴代誌(上下)
 ・ エズラ記
 ・ ネヘミヤ記
 ・ ダニエル書
 ・ 伝道の書(コレヘトの書)
 ・ 雅歌
 ・ エステル記


■七十人訳聖書

七十人訳聖書とは、DC3世紀~DC2世紀ごろに、ヘブライ語聖書をギリシャ語に翻訳したもので、アレクサンドリアを中心としたヘレニズム世界のユダヤ人のために作られました。 これには原典に含まれない書物も含まれており、それらは外典と呼ばれました。外典は以下のとおり。

・ トビト記
・ ユディト記
・ マカバイ記 (第一・第二マカバイ記)
・ 知恵の書 (ソロモンの知恵)
・ シラ書 (ベン・シラの知恵、集会の書)
・ バルク書
・ エステル記補遺
・ ダニエル書補遺 (スザンナ物語、ベルと竜、アザルヤの祈りと三人の歌)





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