神道とは 仏教との違い



政治思想, 哲学, 宗教, 神話

  

公開日:2019/10/20 , 最終更新日:2020/5/22   

■神道とは

神道(しんとう)は古来より続く日本固有の民俗信仰に属し、自然界の物全てに神(八百万の神)が宿るという考えを持ち、神社はその神様たちを祀る場所です。現在神社の数は81000社以上あります。 なお仏教は552年(古墳時代。なお法隆寺建立は607年の飛鳥時代)に百済より伝わり、お寺は仏様を祀る場所で、現在お寺の数は77000社以上あります。

神道は経典や開祖がないのに対し仏教はそれらがあるのが大きな違いで、仏教を信仰する人は仏教徒ですが、神道を信仰していたとしても○○教徒とは呼びません。 しかし神道はそれでも多くの日本人に根付いた信仰意識であるといえます。

■天皇の役割

天皇は神道における最高位の存在ではありますが、開祖というわけではありません。 神道においては、天皇は祭祀を司り、祖先をはじめとするすべての神々を祀り、祈りを捧げる役割を担っています。代表的な天皇の行う神道儀式は以下のとおり。

大嘗祭(だいじょうさい)
天皇が即位後に一度だけ行う、最も重要な儀式。新穀を天照大神と天皇の祖先神に捧げ、自らも食して国家の繁栄を祈る

新嘗祭 (にいなめさい)
毎年11月23日、収穫に感謝して新米を神に供える。天皇が自ら食し、五穀豊穣を祈る

四方拝 (しほうはい)
毎年元日の早朝、宮中から東西南北の神々(伊勢神宮や山陵など)を拝し、国と民の安寧を祈る

神殿祭 (しんでんさい)
春分の日と秋分の日に行い、歴代天皇や多くの神々に謝意を捧げる


■神仏習合

神道と仏教は元々は異なる物ですが、仏教が伝来してから、仏様も神様の一種であるという事からその2つを融合させる考えを神仏習合と言います。 神仏習合を代表するものは日光東照宮が挙げられ、神社の中にお寺があったり、神前で読経する等の例がありました。 当初は仏教が主、神道が従であり、仏教の力が強く神社の管理を寺のお坊さんが行っていることが多かったです。

仏教の力が強くなったのは、神道派だった物部守屋と仏教派だった蘇我馬子の戦いで、蘇我馬子が勝利した丁未の乱(587年)が大きな要因と考えられます。

神仏習合は1000年以上続いていた考えで、江戸時代以降日本古来の信仰を大切にするという考えが強くなり、明治時代になって神仏分離令が出され仏教と神道が分離されるようになりました。




関連記事一覧



政治思想, 哲学, 宗教, 神話