快楽主義者としてのエウドクソス



政治思想, 哲学, 宗教

公開日:2024/9/18    

関連知識
 ・ギリシャ哲学
 ・快楽主義


■エウドクソス

BC390-340。古代ギリシャのクニドス生まれの数学者、天文学者。エウドクソスはこの時代から既に天動説を唱え、また「黄金比」を初めて発見したのもエウドクソスと言われています。

この様に数学者としても天文学者としても優れた功績を残していいるエウドクソスですが、実は哲学をも研究しており、快楽主義を唱えていたことがアリストテレスの著作「ニコマコス倫理学」からわかります。 当時の古代ギリシャで快楽主義者と言えばエピクロスも有名ですが、それよりも前に快楽主義を唱えていたことになります。

■エウドクソスの快楽主義

分別(ロゴス)がある人間も、分別がない他の動物も全てのものが快楽を目指しており、「すべてにとって善いもの」であることから快楽を最高善とする。また、快楽が善いものの一つなのに賞賛されないというまさにそのことが、快楽が賞賛に値するあれこれのものよりもいっそう善いものである事を示しており、 神や善がそうした「賞賛を超えた」ものだと考えた。というのも、それ以外のものはこれら「神・善・快」と関係づけられて賞賛されると考えたからである。

また、快楽がそれ自体を目的とし、「何かのために快い」ということはない。 そして、もろもろの善のどれかに快楽が付け加わると、この快楽はそれを一層望ましいものにする。たとえば正義の行いをすることや、節制を保つことに快楽が付け加わる場合がそうである。しかるに善は自らに付け加わって増大すると考える。




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