アリストテレス



政治思想, 哲学, 宗教, 神話

公開日:2024/6/23    

関連知識
 ・ギリシャ哲学
 ・プラトン
<アリストテレスの著書>
 ・ニコマコス倫理学


■アリストテレス

BC384-322。ギリシャ北部の都市スタゲイラに生まれる。17歳の時にアテネのプラトンのアカデメイアに入学。20年余りをここで過ごす。 プラトンの死後、小アジアなどを遍歴、この間マケドニアのアレクサンドロスの家庭教師も務める。アテネに帰還後、アレクサンドロスの庇護のもとで学園リュケイオンを創設した。 哲学、自然学、倫理学、論理学など多方面にわたって学問の基礎を築き、「万学の祖」と呼ばれる。 リュケイオンは529年に東ローマ帝国のユスティニアヌス帝に異教とみなされ閉鎖を命じられるまでの長い間続く。(プラトンのアカデメイアも同じ理由で閉鎖)



<年表>


■アリストテレスの著書

アリストテレスの著書は、リュケイオンの第11代学頭であるロドス島出身のアンドロニコスによってまとめ上げられた。構成は、
 ① 論理学 (命題論など)
 ② 自然学 (自然学など)
 ③ 自然学の後のもの (第一哲学)
 ④ 倫理学 (ニコマコス倫理学, エウデモス倫理学)
 ⑤ 政治学 (政治学, アテナイ人の国制)
 ⑥ 制作術 (弁論術など)

<形而上学とは>
上記の③は、後に「形而上学(metaphysics:自然学の後にあるもの)」と訳されるようになります。 アリストテレスの考える形而上学とは「存在するものを、存在するものとして考察する学問」です。 つまり「すべての存在に共通する本質とは何か」を探究するものであり、「実体」「形相と質料」「四原因」といった概念を用いて 存在そのものの構造や本質を解明しようとする哲学の最も根本的な問いに関わる領域です。

これは後の哲学者たちにも引き継がれ、さまざまなテーマが形而上学の問題として扱われてきました。たとえば以下のとおり。

・本質と属性:人間とは何か? その本質とは?
・実体と変化:ものは変わっても、そこに残る「何か」はあるのか?
・因果関係:なぜ物事は起こるのか?
・空間と時間:それらは実在するのか、それとも単なる観念にすぎないのか?
・自由意志と決定論:人は本当に自由に行動しているのか?

■アリストテレスの四原因説

四原因説とは、自然的な事象は「質料因」「形相因」「起動因」「目的因」という四つの原因によって生成変化していると考えるもの。 例えば、家を建てる事を考えると、木材やレンガなどの材料が質料因、家の形や機能が形相因、家を設計し立てる人が起動因、家を建てるという目的が目的因となる。




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