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■本の情報
<作者> 橘 玲
<発行日> 2016年4月 (新潮新書)
ネタバレを含みます。緑字が私の感想/コメントです。
■感想
この本が出版されたのは2016年、私が読んだのが2024年。この本の影響なのかは解りませんが、世間に十分広まっている内容だったので私もほとんど知っている内容でした。
説明の一つとして、自分の性格や能力は遺伝と外部環境によって決まり、親や本人の努力はほとんど関係がないというものである。そして、学校の成績が良かった人や社会で成功した人ほど、この主張に対して異を唱える人が多い。
何故なら、自分が良い学校に入れたりしたのは自分の努力とは関係がなかったと言われているからである。しかし全ては努力次第というならば、成績が悪い人仕事ができない人は「自分の努力が足りないからだ」ということになり、
どれだけ努力しても成果が実らない人を傷つけるになるし、できる人はできない人に対して学力差別を行っている事になる。なお最近では、努力できるかどうか自体も遺伝の影響を受けることが分かっている。
■印象に残ったこと
・人種によって様々な能力に差がある。例えば、黒人は身体能力や、音楽などのリズム感の能力が高いということは多くの人が認めるところであるが、
知能に差があると言うと、政治的な問題に発展しうる。
・同じIQであれば白人より黒人の方が優遇されており、白人が差別を受けている、という主張がある。
・アジア人の知能が高いのは、不安を感じる遺伝子が多いからである。
・共感力の低い人、恐怖心の無い人は犯罪に手を染めやすいが、共感力の低さや恐怖心の無さは心拍数に表れる(心拍数が低くなる)。
・人は外見だけで見ず知らずの人の性格や知性が判断できる。
・顔の幅が広い男性は攻撃的になる傾向がある。これは男性ホルモンであるテストステロンの分泌量に影響していると考えられている。また薬指が長い人もテストステロンの濃度が高い。
・ブスと美人の経済格差は3600万円。しかしイケメンとブ男の経済格差の方がもっと広い。その理由はブスは労働市場で期待できる賃金が少ないため、専業主婦に付く人が増えるから。
またブ男が経済的に損をする理由は、経営側からブ男は暴力性があると判断されるため。
・男女平等と称して、女性が社会に進出するのを促進させると、女性の幸福が低下する。女性は家庭と切り離されると人生の満足度が大きく低下する。
・一夫多妻のゴリラ、一夫一妻のテナガザルはペニスが小さい。これは決まった相手と自由にセックスができるならペニスを大きくする必要がないため。それに対して乱婚のボノボはペニスが大きい。
これは精子レベルで他のオスと競争する必要があるため。人間は一夫一妻より乱婚に近いという主張がある。女性がエクスタシーで叫ぶのは乱婚の証拠で、他の男性を呼び寄せるため。
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