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■本の情報
<作者> 百田 尚樹
<発行日> 2018年11月 (幻冬舎)
■感想
日本通史の決定版と銘打ったために、歴史書という位置づけとして扱われ、様々な歴史学者など(呉座勇一氏など)からの批判を受けました。そういった背景から、どんなことが書いてあるのだろうと気になり、この本を読むに至りました。
確かに、歴史書としては適切ではないと感じる部分はありました。例えばよく言われている点として、参考文献が一切載っていないという点や、内容が江戸時代以降に偏っている点など(全505ページ中343ページが江戸時代以降である)。
しかし歴史書としてみるのではなく、物語としてみればとても興味深いものであると思いました。物語であるがゆえに、教科書には書かれないような事までかけるというメリットが生かせますし、
これをきっかけに日本の歴史に興味を持つ人が増え、自分で調べるという行為に繋がれば、単なる歴史書より価値があったといえるのではないでしょうか。
著者自身、本書を物語と位置付ける発言をされていますが、歴史書としての意識もあったからか、一連の歴史を何とか書こうとしたため他の文献やネット上の情報を丸ごと引用してしまった部分があるみたいです。
<自虐史観の否定>
著者が、江戸時代以降、特に戦前戦後に多くページを割いたのは、自虐史観から脱却し愛国心を育むという理由から来ております。確かに現在の日本のメディアや教育機関は左寄りの考えが強い人が多いため、その揺り戻しでこういった考えが出る理由も理解できます。
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