【感想】橘 玲 著『幸福の「資本」論』



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社会科学:30

自然科学:40

技術,工学:50

産業:60

文学:90

公開日:2024/5/21    

■本の情報 
<作者> 橘 玲
<発行日> 2017年6月 (ダイヤモンド社)

■感想 

幸福に生きるための土台(インフラストラクチャー)の設計提案書。金融資産、人的資本については特に目新しいような提言ではありませんでしたが、 社会資本についてはユニークな発想に基づいた内容でした。ただし、個人的には納得行くようなものではありませんでした。

例えば愛情や友情空間に貨幣を持ち込むと大切な価値を破壊すると述べつつも、多くの友情空間を貨幣空間に代替する事を提言しており、それは結局虚しさしか残らないのではないかという疑問。 また最初に幸福のインフラとして金融資産/人的資本/社会資本と挙げておきながら、後半では幸福は社会資本からしか生まれないと述べている矛盾などが挙げられます。

本当の幸せとは何か。このことについて、もっと深掘りした見解が欲しかったというのが正直なところでした。

■要約 

<幸福の条件と、幸福の3つのインフラ>
幸福の条件には、①自由、②自己実現、③共同体=絆があり、幸福の条件を実現する手段(これを幸福のインフラという)として、 ①金融資産、②人的資本、③社会資本があります。以下図のとおり。



幸せのインフラをたくさん持っている方が幸せになる可能性が高まり、幸せのインフラを持っている数によ応じて以下の階層に分けられます。



<幸福な人生の最適ポートフォリオ>


社会資本において政治空間から貨幣空間に移るという事は、しがらみの強い面倒な交友関係を減らし、お金で解決できる関係に代替させるという事です。 例えば、(男性の場合であれば)彼女とのデートはキャバクラで代用し、セックスは風俗を使い、クラブやパーティでたまたま出会った「仲間」と盛り上がり、フットサルは一人で行く。 こういう生き方を徹底すれば人間関係で悩まなくなる。




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